![]() ── 調査開始4週間後 ── written by wanko |
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『おっすー♪』 『毎度〜♪』 『わぁ、みんな元気〜?』 (そろそろ、皆さん、集まり始めたようですね) 私はイヤホンから聞こえてくる声に集中し始めた。既に仕掛けた盗聴マイク、ウェイトレスへの根回し(色仕掛け)にて、そのマイクが仕掛けられた席に彼女たちは案内されている。間にふたつのテーブルを挟み、私も同じ店内でスタンバイしていた。 勿論、目ざとい彼女たちに見つからないよう、変装することも忘れない。付け鼻とサングラスではかえって危険である為、今回はトレードマークの前髪を上げ、両目が見える状態としている。その両目にはカラーコンタクトを入れ、「ワタシ、ニホンゴ、ワカリマセンネ〜」な状況を醸し出している。これで、万が一見つかったとしても、シラを切ることができるであろう。多分…(弱気)。 『ねぇねぇ、今週のアニメ見た?』 『見た見た!真澄様、激萌え〜!!予告の声、もう最高!』 『ねーーーーーー。やっぱり、私達、真澄様が大好きなんだよね〜』 『当たり前だよ、だから、真澄様のバースディコンサートなんて言うとんでもないコトを企画してるんじゃない!』 (バースディコンサート?真澄様の?) いよいよ、核心に近づいたか…。私は逸る鼓動を抑えながら、チラリと彼女たちの方に目を遣った。皆一様に興奮しているようだ。 『そうそう!コンサートだよ、本題は!今日はそれを詰める為に集まったんだから』 『コンサート…この前、下見をしたコンサート会場はちょっと難ありだったんだよね。駅からは遠いしさ、何せ、真澄様の雰囲気に全く合ってなかったよ』 『どうする?結構探したんだけど、ちょうどいい感じの会場ってなかなかないよ』 『公共のところだと、料金は手頃だけど、ほとんど、数百人規模だし…40〜50人の濃密空間がいいんだよね』 『ピアノを置いてあるレストランとかはどうかな?』 『あぁ、お洒落でいいかも。でも、レストランだと料金は高くなっちゃうよ。ピアノの質にも不安が残るし…』 『せっかくのピアノコンサートなんだから、やっぱり、ピアノの質にはこだわりたいっしょ!』 『そうだよね。ピアノの音色に浸りながら、ガラカメ妄想ワールドに飛び立ちたいんだからさ!』 (ピアノ?妄想?) 何やら、全体像が朧気ながら見えてきたような…。 『あぁ、でも、楽曲をお題にガラパロなんて、本当に書けるのかい…アタシャ激しく不安だよ…』 『大丈夫だよ!なんとかなるって!』 『…なんの根拠もないじょ、今の発言は…。いや、泣きゴト言っててもしょうがない』 『そうそう。せっかくの真澄様の誕生日、ピアノの音色に包まれて、たくさんのお仲間達と妄想世界に旅立てるなんて素敵じゃない!頑張って、実現させようよ』 『よし、じゃあ、もう少し、会場を探してみるか』 『楽曲の方も、リクエストがあったらどんどん言ってよ。皆が妄想しやすい曲にするからさ』 その後、彼女達の会話は脱線を繰り返しながらも延々と続いたが、最初の会話以上の新たな情報はなかった。(余談ではあるが、彼女達は、聞いている方が赤面するような内容を、全く臆面もなく大声で話しあっている。時々、空間をつんざく奇声を発しながら。よくも、あれだけ、様々な妄想を回すことができるものだと、私は感心しきりであった。) さて、本日盗聴した内容と、彼女達のこれまでの行動から推察してみよう。まず、真澄様のお誕生日にピアノコンサートを開催する…これは間違いない。会場まで探し始めているのだから。 そして、コンサートの楽曲をお題にガラカメに関する作品を創作する…まぁ、あれだけ妄想が回れば、それも可能であろう。 創作した作品の発表方法については、言及していなかったが、昨年と同様、期間限定のサイトでの公開が有力か? とにかく、ピアノコンサートとガラカメとのコラボレーションを目指しているということだ。なるほど、そういうことであれば、半年以上前からの準備も決して早過ぎるということはないだろう。 現状の問題点としては、コンサートの会場探しに苦労しているようである。早速、真澄様にご報告申し上げねば…。 † 本日の報告メール † 「真澄様のお誕生日をお祝いするピアノコンサートを企画している模様。現在、その会場探しに苦慮しております。早速、心当たりを探してみることと致します。4月XX日 聖犬」 08.10.2005 |
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