![]() ── 始動 ── written by wanko |
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──2005年3月某日── 都内某所の地下駐車場。 奥まった空きスペースに静かに滑り込み、そのまま駐車する1台のベンツ。 運転席側の窓が音もなく開き、その前に一人の人物が立ち塞がった。 「こちらが前回依頼されました○内××えの今後の動向にございます」 「ウム、ご苦労。………なるほど。いまだ、43巻についての確かな情報は掴めていないわけか」 「申し訳ございません」 「いや、お前のせいではない。しかし、昨年の42巻発売の衝撃は忘れることができない。発売自体は実に喜ばしいことではあったのだが…な」 「(心中お察し致します。私とて、自分自身の扱いに男泣きに咽びました。←心の声)」 「それ以降、○内氏自身の各種マスメディアへの露出も多くなっており、アニメのテレビ放映等も開始されると聞いた。43巻への布石と考えるのが自然であろう」 「はい」 「どんな手段を使っても構わん!あの忌まわしいチェリー祭りのようなことが2度と起きないよう、引き続き、調査の続行を頼んだぞ」 「はっ!」 「それと例の件だが、その後、何か進展はあったのか?」 「えぇ、こちらは早くも水面下での動きが活発なようでございます」 「と言うと?」 「今年もまた何か大きな企画がありそうな…、プロジェクトの全貌はまだ掴めておりませんが、彼女たちの動きが活発になっていることは間違いありません」 「そうか。彼女たちには、去年の誕マス企画で、非常に世話になった。ここらで借りを返しておくのもよかろう。もし、何かプロジェクトの遂行を妨げる問題があるようであれば…、金はいくらかかっても構わん!その障害の除去に全力を尽くすように!頼んだぞ、聖」 「はっ!かしこまりました、真澄様。経過については、逐一、ご報告させて頂きます」 「あぁ、よろしく頼む」 再び、音もなく閉じられる窓。 走り去る車を見送る男。 『真澄様のご依頼であれば、どんな汚い仕事とて厭いはしないが、今回は、久々に楽しい仕事をすることができそうだ』 影の男、聖はその口元にかすかな微笑を浮かべていた。 08.10.2005 |
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