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男にエスコートされパーティ会場に姿を現したマヤを、その場にいたものはにこやかに眩しげに迎えた。マヤの隣にいる見覚えのある男の姿に、真澄は一瞬眉を寄せる。 薄紫のシルクタフタのドレスを纏ったマヤは、かつての幼さをどこかに残しながらも自身から溢れる輝きを放ち見事な佇まいだ。隣の男は彼女の腰にそっと手を添え、周囲との距離を絶妙に保ち、整った笑顔を振りまく。二人はあっという間に会場の注目を集め、その周りには軽く人垣ができていた。 聞いていなかった。 彼女が男にエスコートされて現れるなどと。 そもそも彼女はこのパーティに出席することを躊躇っていた。大都主催のパーティではあったが、どうしてもと彼女が拒めば欠席でも構わないものだった。だから、真澄も強く出席を要請しなかったというのに。 彼女の隣の男…深田侑弥は、見覚えがあって当然だ。 かつて二人は共演しているのだから。 花のようなアルディスとその恋人ユリジュスとして。 数あるマヤの共演者で、彼ほど彼女に興味を抱かなかった男はいない。桜小路優も里見茂も真島良も、共演する男たちが軒並みマヤに特別な感情を抱いていく中で、侑弥だけは違っていた。 それなのに、なぜ今頃になってマヤの腰に手を添え、彼女を眩しげに見詰めながらエスコートなどしているのか。マヤがやや頬を染めながら侑弥を見上げるあたりも忌々しい。 婚約破棄発表を間近に控え、マヤをスキャンダルに巻き込むんでしまうことを恐れるあまり、彼女を公の場でエスコートできない悔しさを下唇を噛んで耐えるしかない。 人並みを縫うように行き来する給仕の盆からシャンパングラスを奪うように受け取ると、一気に喉に流し込んだ。 決定的だったのは、パーティの合間に仕事の電話をかけるために会場を抜け出した時だった。ざわめきを避け、ホテルの廊下を歩き中庭に出た。イングリッシュガーデンの奥まった場所にある泉のほとりのベンチに座る二人の影を見つけてしまった。遠目ではあったが真澄がマヤを見間違えるわけがない。どう見てもその二人の影は寄り添っており、唇が重なっているようにしか見えなかった。 男がマヤの右肩を抱いていた。 あたしは不安な思いを隠せずにホテルの正面玄関に廻されたタクシーに飛び乗る。ああ、ドレスの裾に、慣れないピンヒールがひっかかる…。アルコールがまだ躰に残っている。 「…青山の大都芸能本社ビルへ…!」 速水さんは怒ってる。 きっと深田さんと一緒にいたことを怒ってる。 だけど、パーティ会場の入り口で偶然再会したら話だって弾むし、一人で所在なさげに過ごすパーティなんてつまらないのだから、一緒にいたって不思議はないでしょう? そもそも忙しくてなかなか逢えない速水さんに逢いたくて出席したのだから、そのぐらいで怒らないで欲しい… …と思うのは私の我が儘? それでも怒りの空気を感じたあたしは何度も何度も速水さんに視線を投げたけれど、気付いているのか気が付かないのか、あたしを全く見てくれなかった。昨日はパーティーが終わったら二人で逢おうと言ってくれていたのに、パーティが終わったらいつの間にか何処かに消えてしまっていた 。 携帯メールの“今どこ にいるの?”の返信は、 たった一言 “会社”。 それ以来携帯電話は沈黙を守り、あたしの呼びかけにも応えてくれない。車窓の向こうには偽りの暗闇の中を微妙に色を変えた光の帯が何本も流れていく。 この流れの中で、一番心急いでいるのは誰? ねぇ、それは間違いなくあたしじゃない? 早く…早く…あたしを速水さんのもとへ…! 守衛さんは、いつもようにマネージャーを伴わずに来たあたしに少し驚いた様子だったけれど、あたしは大都の所属女優なのだから、躊躇わずに堂々と歩く。 カッカッカッカッ… ロビーの大理石の床を叩くヒールの音が闇に響いて、余計に大きく感じてしまう。ピンヒールを響かせながら歩く女は嫌みだと思ってた。でも、そんなこと今は構っていられないでしょう? 最上階まで昇る役員専用エレベータのボタンを、無意味に何度も押し続ける。 早く…早く…! スローモーションとしか思えない速度で扉が開き、そのままのテンポであたしを最上階に運ぶ。ようやく最上階に着くと、今度は毛足の長い絨毯張りの床をヒールを引っかけないように、もどかしく急ぎ足で社長室に向かう。 秘書室にも他の役員の部屋にも誰もいない。最上階には誰もいない。 それでもあたしにはわかる。 この暗闇の廊下の奥の部屋にたった一人、速水さんがいることを。 はぁはぁはぁはぁ… あたしは呼吸を整え髪を撫でドレスの裾をさばいてから、ギィ…と小さな音を唸らせて重い扉を開く。 そこは、星屑の輝く場所。 どこまでもどこまでも星の煌めきを散らした満天の地上。 一瞬、宙に浮いているのかと錯覚するほどの夜景に、 思わず息を呑み足が竦む。 足下灯だけの仄暗い社長室は、 広い窓から星屑を散らした夜景へと隔たりも無く繋がっている。 その窓辺で人影がぐらりと揺れた。 「…速水…さん…」 窓を背にしている彼の表情はわからない。 後ろ手でカチッ…と扉の内鍵を掛ける。 それから、ゆっくり、ゆっくりと彼の元へと歩いていく。 窓辺に寄りかかってネクタイを緩めた彼は酷く疲れているように見える。 「…怒ってる…?」 「怒ってる…」 「…ごめんなさい…」 「なぜ謝る?悪いことでもしてたのか…?」 「…だって…、速水さん怒ってるもの…」 速水さんが右手を伸ばしてあたしの頭を撫でる。 三回撫でてあとは髪の流れのままに背中に腕を廻した。星屑の僅かな逆光の速水さんは、悪戯をした子供を咎めきれずに困っている大人のように 、唇の端を微かに上げて歪んだ笑顔を見せている。 「俺が怒るから謝るのか?…怒らなければ、悪いことではないと?」 「速水さん…」 速水さんの左の親指があたしの唇の輪郭をなぞる。 「あいつはここに触れたのか…?」 心臓がどくりと跳ね上がる。 …見られていた…。 「…答えないのは、肯定かな?」 彼はますます眉を寄せ、唇の端を歪ませる。 深田さんとのおしゃべりが弾んで、心地良い刺激を与えながら喉を流れていくシャンパンが美味しくて、ついつい飲み過ぎてしまった。深田さんはあたしに夜風をあたらせるために外に連れ出して、 それから。 “残念だな…。恋人がいるのか…” “以前会ったときよりも、ずっと素敵になったね” “そっか…。その恋人が君を綺麗にしてるんだ” “悔しいな。もう少し前に気付いていればよかった” そして、“これは介抱してあげた僕へのご褒美ってこと”と言って、触れるだけのキスをされた。 「困った子だ…。片時も目を離せない…」 速水さん、綺麗。 どうしてこんなに綺麗な人がいるんだろう。 その綺麗な顔に触れたくて、あたしは両手を伸ばして彼の頬を包む。 速水さんは少し驚いたように目を開いた。 「君は…。あの夢見る少女から、どうしてなんの前触れもなく誘惑の女神に変わってしまうんだ?」 そんなの決まってる…。 速水さんの香りを感じるだけで、 躰の芯が熱くなってしまうのはおかしい? でも、そんなあたしにしたのは速水さんだよ? 「…あなたに恋…してるから…」 言い終わらないうちに、彼の唇が重なってくる。 いつもの、優しく、ついばむような口付けではなくて、 それは、まるであたしを奪うようなキス。 …そうね。 あたしを奪うことができるのも、 あたしを失うことができるのも、 速水さんだけなのだから。 だから、奪って。 永遠に失うことの無いように。 僅かに開いた唇から彼の舌があたしの口の中に進入してくる。 彼の舌があたしの舌を絡めとる。 「…ん、…ぁ…ん…はぁ…」 二人の唾液が混じり合い、そこから生まれる熱に浮かされたような水音と僅かに漏れる二人の乱れた吐息が、皮膚にじんじんと響いてくる。あたしは速水さんのしなやかな筋肉の胸板や体温を感じようとワイシャツの上から必死で縋り付く。彼はあたしの耳元に唇を這わせ、吐息を吹きかけ耳たぶを軽く噛む。 “そうか…君は耳が弱いんだな…” 初めて抱かれた夜、速水さんがそう嬉しそうに呟いたことをあたしは忘れない。その夜以来、あたしは耳が弱いのだとを知った。あたしが知らなかったあたしの躰のことを速水さんは知っている 。耳たぶを唇で挟み耳の穴のまわりを舌が這う。耳元の湿った吐息と甘い刺激にあたしは堪らず背筋を仰け反らせる。 「…んぅ…ぁ…ぁっ…」 彼はあたしを軽々と抱き上げ、窓際の革張りのソファに座らせる。 背もたれ越しに、あたしは満天の星空の中で浮遊していく。 地上27階の空中散歩。 彼は首筋や大きく開いた胸元に熱い唇を這わせながら体中をまさぐる。シルクタフタのドレスの上から受ける指の感触にあたしは軽く身をよじらせて、溜息を吐く。 その感触があまりに心地よすぎて、あたしはさらに我が儘になる。その指で直に触ってほしい。革張りの冷たさよりも、あたしの躰の芯の熱があたしを確実に支配しているから。 彼は黙ってドレスのファスナーを降ろしていく。長い指が布とあたしの隙間に入り込み、ドレスが肩から滑り落ちる。ブラのホックを片手で外し、零れ落ちた胸の膨らみを下から包み込むように揉みしだく。固くなり始めた先端を親指で弄ばれ、あたしは耐えきれずに色めいた声をあげてしまう。 「はっ…くぅ…ぁぁん…」 「いい声だ…」 閉じていた目蓋を僅かに開くと、速水さんが不敵な笑みを浮かべていた。さっきみたいな歪んだ笑顔も綺麗だけど、今の笑顔も好きよ。いっぱい好き。 「…好き…」 掠れた声で呟くと、彼は目を細めて「その100倍愛してる…」と囁き、あたしの顔を下から見上げながら、胸の尖った頂を口に含んだ。彼の舌は生き物だ。 ざらりとした感触で、いいように弄ばれていく。 「ぁあっ…」 躰が勝手に跳ね上がるのをあたしは止める術を知らない。あたしはその愛撫を止めて欲しくなくて、彼の頭に手を添える。柔らかな髪に指を絡め抱きながら躰をよじる。このまま身を委ねていよう。込み上げる声も熱も刺激も全部好きなだけ解放して。 「うぅ…あっ…ぁ…ん…」 彼は唇を離さずにドレスの裾から右手を差し入れ、太股をまさぐり、下腹部を撫でる。 あぁ、もっとその先へ…もっと…。 彼はあたしの右膝を立てると、器用にス トッキングと下着に指をかけゆっくりと降ろしてゆく。 それなのに、膝下まで降ろすと手を止めてしまった。 胸から唇を離すと、両手をソファについてあたしを閉じこめ、ゆっくりと満足げに全身を眺め始める。 中途半端なあたしの姿。 ドレスは肩から滑り落ち腰の辺りに溜まり、ブラはまだ肩に片方だけ引っかかって、愛撫された胸は先端を尖らせ露わになっている。下半身のドレスは捲り上げられ、ショーツとストッキングは片膝を立てた脚の途中で止められ、その先でピンヒールのサンダルが光っている。その上、胸への愛撫だけで、あたしの躰も頬も火照り、瞳の力も抜けてしまっている。 |

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「…恥ずかしいから…そんなふうに、見ない…で…」 「なぜ?最高の眺めなのに…」 「…い…や…」 彼の視線で次第に頭の奥が痺れていく。空気に晒されてしまった場所があたしの意志とは関係無く勝手に疼きはじめ、身をよじらずにはいられない。 「いやなのか…?それじゃ、なおさら止められないな。これは悪さをした君へのお仕置きだから… 」 笑いを含んだ声で意地悪を言う。 いやなのか…? …そんなわけないじゃない…。…いやじゃない…よ…。 本当は、もっと…もっと見て欲しい。 見られているだけで、あたしはおかしくなっていく。 狂っていく…。 「…ぁ…ん…」 …でも、一緒に狂おうよ… あたしの躰に火を付けて、眺めるだけのあなたは狡い。 お仕置きなんていらない。 あたしをこんなにしたのはあなたなのだから。 お仕置きなんていらない。ただ愛して欲しい。 あたしは彼の緩められたネクタイをしゅるりと引っ張り首から抜くと、ワイシャツのボタンをひとつひとつもどかしく外し、彼の素肌に腕を廻す。 あたしは速水さんの背中が好き。 体温の高い、きめの細かい肌が好き。 背中から引き締まった脇腹を執拗に何度も撫で回し、覆い被さる程良く厚い胸に唇を這わせ吸い、舌先で彼の乳首を舐め上げる。 「…くっ…」 一瞬漏れた彼の吐息に、あたしは満足げに彼の顔を見上げる。苦笑いを浮かべた彼は、やおらあたしの股の間を長い指でぬるりとなぞった。 「はぁあんっ…ぁぁあ…ん…」 もう充分に感度を上げ、その指を待ち焦がれていたあたしは歓喜の声を上げる。直に触れる人差し指と中指と薬指が襞を捲り、湧き出る液体を絡めながらこねまわす。甘い刺激が脚の爪先まで身体中を電流のように駆け巡っていく。彼は指を器用に操り、迷わず固く小さな突起を捕らえ、優しく刺激を与える。 「…ぁっ…!!」 あぁ、もう何も考えられない。 ただ夢中で振り落とされないように速水さんの羽織っているワイシ ャツを握りしめ、快楽の波に溺れていく。自分の声とは思えぬほどの甘ったるい声が口から次々に零れていく。彼の繊細な指の動きはあたしがどうしたら気持ちいいか、何でも知っている。刺激を与えながら、二本の指がゆっくりと入り込んでくる。あたしの中の柔らかい壁を擦って、何度も円を描くように掻き回す。 初めて自分の内側に触れられた時は、その途方もない感覚に怯えたけれど、今は待っている。ただ、この指で内壁に快楽を与えてもらえることを。舌の愛撫も加えられ、何がどうなっているのかもう分からない。 聞こえてくるのは、くちゅくちゅとした水音と、あたしの嬌声。 速水さんは、あたしの変化を敏感に感じ取り刺激の速度を増していく。 もっと…もっと……!!! あたしは本能的に彼の指を捕らえようと、濡れてぐちゃぐちゃになった突起がもっと激しく彼の指にあたるように、腰さえ突き出して求める。 「あ…あっっああっ…ぁあああーーーっっ…!!」 …ついにあたしは小さな死のような快感に襲われ、躰をがくがくと痙攣させビクビクと激しく脈打った。頭の天辺から脚の爪の先まで力が籠もり、あたしは白い世界に上り詰める。 はぁはぁはぁはぁ… 闇の中に、あたしの荒い息遣いだけが響く。 もう少しだけ、もう少しだけこのままで。 時が止まったようなこの刹那を感じていたい。 ぎし…。 ソファが軋む音と衣擦れの音、微かに金属音が聞こえる。 サンダルのストラップを外され、脚に絡まったままだったストッキングと下着を脱がされる。 背中に腕を廻し身体を起こされると、僅かに絡まっていたドレスもブラも全て剥ぎ取られた。 もうすぐ来る。あたしの中に、彼が入ってくる。 朦朧としたまま視線を彼に向けると、汗ばんで顔に張り付いた髪を優しく掻き上げてくれる。 …好き。 あたしはこの人が好き。 好きと愛しているの言葉にどのくらいの違いがあるのか、あたしにはよく分からないけれど、ただこの人の存在が泣きたくなるほどに胸が痛くなるほどに愛しい。 好きなの…速水さん…。 指先を伸ばし、彼の顔に触れる。 こめかみから、目蓋を撫で、鼻筋を通り、頬に触れ、唇をなぞる。 それから、あたしは顎を突き出して彼にキスをねだる。 舌と舌を貪るように求め合って絡め合って溶け合って …。 両手で彼の熱い塊をそっと包み、自らの中に導いていく。 もっと、もっと繋がろう…。 「はぁ… ぁ…ぁ…ん…ん…」 ぬるりと彼の先端が入り込み、あたしを気遣うようにゆっくりと奥へ分け入っていく。でもあたしは大丈夫…。もうあなたを受け入れる準備は充分過ぎるほどにできている。一度上り詰めて、更に敏感さを増しているあたしは、吐息を漏らしながら彼を深く受け入れていく。あたしの中が速水さんでいっぱいになる。 この感覚をどう言ったらいい?快感?幸せ? その存在を確かめるように膣をぎゅぅ…と締め上げると、彼が一瞬切なげに眉を寄せ抑えた溜息をつく。 速水さんが感じている。 あたしの中であたしを感じている。 それはあたしを喜ばせ、あたしはさらに締め上げる。 この顔は他の誰にも絶対に見せないで。 あたしだけの速水さんでいて。 「…覚悟しろよ」 プライド高い速水さんがあたしに負けることを許すはずもなく、口の端で笑うと一気に突き上げた 。 「あぁうっっ…!!」 痺れるような感覚が躰中を駆け巡っていく。 あたしの腰を押さえ付けると、始めはゆっくりと円を描くように。 それからだんだんと速度を早めながら、 何度も… 何度も、躰の奥にある芯を突き上げる。 君は俺のものだと刻印をするように。 縋り付く場所を求めて宙を掴む両手を、彼は動きながら自分の背中に廻す。そのまま抱き付いて自ら腰を動かし、速水さんと一緒に感電するような波に呑まれていく。速さを増す腰を打つ律動に翻弄されながらも、あたしはこの時が永遠に終わらないことを願っている。 密着した肌、溶け合う体温。 いつのどんな時よりもあたしたちは一つになってる。 ほら、随分前に梅の谷で感じたでしょう。 不思議な一体感。 信じられないほどの恍惚とした高揚感。 ね…、あたしたちは本来の姿に戻ってる…。 「ぁあっ…は…やみさ…んっあっ…ぁ…あっんんっ…んぁっ…」 「……堪えるな…もっと声を出せ…」 「ぁああっっぁあっ…ああっ…ふぁっ ぁ…あっあぁぁあっ……!!」 「そうだ…いい子だ…っ…」 「ぅああっん… あぁっ…」 抑えかねている速水さんの声に、背筋にぞくぞくと電気が走る。 彼の動きとともに、あたしの喉の奥から叫び声にも似た淫らな声が発せられていく。 速水さんとあたしの内壁が激しく擦り合っていく快楽に、あたしは頭の中も、突き上げられる子宮も、身体も、なにもかもが掻き乱されていく。もう、湧き上がっていく絶頂感にあたしは弓そりに背中を反らせて、あとは何も考えられなくなる。 「…も…もう…ぁっ…あっ…」 「…いけっ…」 「ぁぅっ…んっんっぁっ… あっ…あっ…ああ・あ・あぁあーーっ……っ…っぁっ…」 「くっ……」 躰の芯から駆け抜けていく絶頂に 呼吸が止まり全身を痙攣させ膣を大きく収縮させる。 その強い膣の締め付けを受けて、速水さんは一気に引き抜くと、 あたしを強く抱き締め脈打った。 はぁっ…はぁっ…はぁっ… 荒い呼吸を繰り返しながら、あたしたちは強く抱き合っている。 絶頂の余韻の中で、速水さんはあたしの汗ばんだ額に、震える睫毛に、紅潮した頬に、唇に、次々と柔らかいキスの雨を降らせた。 「…君をこのまま閉じ込めてしまいたい…」 マヤを閉じ込めておくことなど不可能だ。 彼女はいつだって羽ばたいていなければ呼吸困難で死んでしまう、厄介で、愛さずにはいられない小さな恋人。 だから、奪い続ける。 翼を休める場所は此処しか無いのだと記憶させるまで。 09.21.2004(投稿発表日) 04.24.2005(scene転載日) こっぱずかしい。 ありえないほど、マス…早いし…(^^;; これ以上書き進めるには、いっぱいいっぱいだったんですワ。 転載するのにあたって、よっぽど真澄をもう少し頑張らせようかと思ったのですが、まあ、初めて書いた地下ものだし、記念にこのまんまにしとくかぁ…ということで、句読点などを若干修正した程度の直しだけで転載してみました。 ※ユリジュス役の役者のお名前が原作には登場いたしませんでしたので、「深田侑弥」という名前を咲蘭が勝手に命名してしまいました。どうぞ、ご了承ください。 |
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