illustrated by ゆきこさま |
夜の雨に幻惑されているだけだとしてもいい。マヤは真澄の胸に顔を埋めて、背中に腕を回して、必死で抱き締める。今は、堪えずに、止めずに、心のままに真澄に縋り付く。 「速水さん……好き…。 きっと、死ぬほど愛してる…。 もう、どうしたらいいか…本当はわからないの…」 受け止め合った想いの事実はあまりにも重大で、かなしみを伴いながらも、でも激しく幸福で、罪の重さへの恐怖を束の間記憶から消し去ってしまう。 世界中で例え此処だけが取り残された場所だとしてもいい。 たった二人だけが存在すればいい。 この手が掴んでいるのがマヤであり、 真澄でありさえすれば、それ以上に望むものなど無い。 瞳を見つめ、吐息を交わして、頬を合わせ、口づける。 息をすることすら忘れるほどに。 胸が潰れるほどに。 夜陰の豪雨は、秘めるべきふたりの姿を覆うように 激しく、優しく、降り続ける。 (「雨ふりのあとで」 story 4より) ■ゆきこさんより 咲蘭さんのお話は全て素敵でどのイラストを描かせて頂こうかと迷ったのですが「雨ふりのあとで」の雨の中のキスシーンがとても気に入ってしまいまして頑張ってみました。 お話のイメージを壊してしまわないかちょっと不安なんですが… ■咲蘭よりお礼 どうですよ、みなさん!!(鼻息荒!) もう、ファイル開いた瞬間に、「きゃ〜〜〜♪♪キスぅぅ♪」(←バカ)ですよ、もう。嬉しくて(*´∇`*)。 夜の駐車場(わざわざ写真を撮りに行ってくださったのです!)、光、豪雨、そしてマヤマスのキス!!もう完璧です!! これ以上、なにを付け加えたらいいのでしょうか。 実はですね、私は自分の妄想パロに挿絵をいただく経験がほとんど無く、ジカキの皆様がエカキの方から挿絵を描いてもらう様子を横目で見ては、いいな〜〜〜描いてもらうっていいな〜と指をくわえて見ておりました。 それで、先日某オフ会にてゆきこさんにお逢いした際に、「描いてほしいんですぅぅ」とご迷惑顧みず無理やり頼み込みまして、今回のお宝ゲットに至ったわけです♪ ゆきこさん、このたびは私の無理なお願いに、こんなにも素晴らしい美麗画で応えてくださいまして本当にありがとうございました! (嬉しくて、何度もファイルを開いてマス(〃▽〃)) 04.18.2006 |