独占インタビュー

† to koto †


  written by wanko  












10月28日 都内某所の超高級寿司屋

本日インタビューの場として指定された寿司屋に向かう道すがら、私は先日のインタビューに思いを馳せておりました。
いやぁ、あれは全く酷い目に合ったものです。
あの後、結局、店中のシャンパンを開けることになり、よくわからぬうちに、私だけシコタマ飲まされまして…、又、ムリヤリ聞かされた杏子さんの恋バナ…これもアルコールの廻りに一層拍車をかけ、翌日丸一日私は全く使い物になりませんでした。インタビューの下調べやら何やら、やらねばならぬことがたくさんあったというのに…。

まったく…、夕方近く酔いが醒めた頃、請求書の額を見て、眩暈を覚えましたよ。
まだ、3名の方を残しているというのに、インタビュー用の予算をすっかり使い果たしてしまい、本日以降は、この聖のポケットマネーから費用を捻出しているのでございます。 真澄様はあの通り、「金はいくらかかっても構わん」…なお方ですから、正直にご報告申し上げれば、追加予算を出して頂けるとは思います。
ですが、この聖(犬)、与えられた予算の中で最高の成果を引き出すことをモットーとしております!
本日からは気持ちも、財布のヒモも、ふん○しも、ギュギュッと引き締めていきますよっ!(←懲りもせずに握りこぶしフルフル状態)

『カラカラカラ…』

お約束の時間より30分早く、お店の暖簾をくぐった私の耳に、そのお声は聞こえてきました。

「あ、中トロと穴子と玉子焼きも下さいな。玉子はご飯なしでお願いします」

粋な小紋を身に着けた一人の女性。カウンターに座り、注文をするその横顔を見て、私は焦りました。

kotoさんではありませんか!

「申し訳ございません。お約束の時間を間違えてしまったでしょうか?」

「あ、聖さん、こんばんは!いえいえ、約束の時間まではまだ随分あります。私が早く着き過ぎちゃったんです」

「そうでしたか、いずれにしてもお待たせしてしまって、申し訳ございません」

「いいえぇ、ご覧の通り、全然待ってないですから!お腹空いてしまったので、先に頂いてました。こちらこそ、ごめんなさい!」

「あ、どうぞ、どんどん召し上がって下さいませ!(くぅっ!本日も、やはり予算オーバーでしょうか…)」

「ありがとうございます。このお店、ずっと前から来たかったんですよね〜。とっても美味しいって評判だったので…。でも、自分で来るのはなかなか…ね。なので、今回のご褒美のお話を頂いた時から、絶対ココで奢って貰おうと決めてたんです」

「そうでしたか」

「ここでお寿司を頂くことを励みに、頑張ってお話を書いたんですよ!」

「それでは、私も少しは今回の企画のお役に立てているのですね」

「もちろんです。さぁ、聖さんも一緒に食べましょうよ!本当に美味しいですよ」

「ありがとうございます。それでは、私は、ホタテとぼたん海老とたらば蟹を…、kotoさんは如何ですか?」

「ごめんなさ〜い、私、甲殻類も貝類もダメなんです」

「おや、そうなのですか?それでは、お寿司ではない方が良かったのでは…」

「でも、お寿司が好きなんですー。ややこしいヤツですみませぬ…。好きなものをどんどん頂きますので、どうか、お気になさらずに…」

「では、まずは乾杯いたしましょうか。お飲み物は何がよろしいですか?」

「あ、私、お寿司を食べてる時は、あまりアルコールは…、お茶で乾杯でもいいですか?」

「もちろん、構いませんよ!(と言うか、願ったり叶ったりでございます。酔って狂乱の夜になることもないですし、お店の酒を飲み尽くして、目の玉飛び出るような金額になることもない♪)それでは、乾杯致しましょう」

「はーい、乾杯♪」

「それでは、お話の方、色々と伺っていきますね」

「あ、どぞ、どぞ♪何でも聞いて下さいな」

私の隣で本当に幸せそうなお顔でお寿司を頬張るkotoさん。見ていると、こちらまで、嬉しくて、楽しくて、幸せな気分になってきます。いいですねぇ…、癒されます!もう予算のことなど構いません。どんどん召し上がってくださいませ。(←早くもふん○しユルユル状態)

「えー、私の極秘調査によりますと、いつもは”ネタ降臨−ソッコー書き上げ”タイプのkotoさんが、今回は、サイト作品、お土産本作品ともに、なかなかの苦戦をされていたようなのですが…」

「そうですねー。今回は本当に苦労しました。こんなに書けなかったのは、初めてかもん…。ネタはゴロゴロあるんですよ。書きかけのパロも常時30位のストックがあるし…。あ、放置とも言いますけど…」

「それでは何故、それほどまでにご苦労されたのでしょうか?」

「えっとですね…やっぱり、サイトの方はお誕生日企画だし、お祝いムード溢れる明るく、楽しく、健全なお話が良いのかな…と思ったりして。でもそうすると、それに当てはまるストックは全くないんですよ!見事に!!いっぽんも!!!」

「ふむふむ」

「滅茶苦茶ダークだったり、”おい!このネタと誕生日をいったいどうやって絡ませるんだよ”ってネタだったり…」

「なるほど…」

「何より致命的だったのは、今回、コンサートの楽曲縛りだったこと!これがきつかったです。泣きそうでした。と言うか、泣いてました」

「どの楽曲にされるのかも一番最後まで悩まれてましたよね?」

「えぇ、最初、コンサートと誕マスを絡めるって聞いた時は興奮して、”行け行け!GOGO!!”と思ったけれど、少し冷静になってくると、”にょーーーーん、私には無理。絶対無理だから!”とひどく弱気になってしまって…。音楽、聴かないんです、私…」

「最終的にアラベスクを選んだ理由はどういったことだったのでしょうか?」

「私、大体万事即決なんですよ。早とちりが多いのが難点なんですけど、うだうだ悩むことはほとんどないんです」

「それは、うだうだ悩みっぱなしのどこかの社長に、爪の垢を煎じて飲ませてあげたいものですね」

「ふふ…、でも、その私にしてはずっと決めぬままいたもので、菌妻が心配してくれまして、なんと電話をかけてきてくれてその電話口でアラベスクの曲を聞かせてくれたんです。 こんな曲よ〜って。菌妻家にある電子ピアノに内蔵されている曲だったらしくて。菌妻が大好きだというこの曲の旋律は凄く綺麗で電話口でなんだか感動してしまって。この曲は杏子ちゃんがピアノで弾いたのも聴いたことがあったので、なんとかなるかなぁと…問題はアラベスクの意味で…どうやって話に繋げるか、ただそれだけでした(笑) 」

「書けなかったと言う割には、フタを開けてみると『彼方から…』は全5話+エピローグの超大作。”停電ネタ”が落ちてきてからは、特に筆が止まるようなことはなかったのでしょうか?」

「あらすじは落ちてこないんですよぉ、とにかくシーンだけ”ごとん”落ちてくる!今回は停電のシーンのみ。だから前後を繋げるのが大変(笑)まぁ、書き始めたら大量にネタ降臨で大興奮してしまいましたけど。筆が止まってたら今日はないかと。時間ギリギリでねぇ…一気に止めることなく書き上げましたね♪とにかく頭の中でシーンだけが溢れてくるので、それをワード上に文の塊として出力していく感じです。ぽんぽんと台詞だけが落ちてくることもあって…それも書きとめていくんですが…前後の話の筋と合わないことが多くて、シーンと台詞を前後左右入れ替えながら組み立てて一本にまとめるいう…」

「kotoさんのお話ではいつもハッとさせられる、それまでは気付きもしない、思いつきもしないような表現がございます。今回は2話の”好きなものを好きだと言えないのなら、せめて嫌なものは嫌だと言おう。”との真澄様の心情ですね。目から鱗がゴロリと落ちました。こういった内容は捻り出したものなのでしょうか?それとも、ある日、ストっと落ちてくるものなのでしょうか?

「聖さんの目から鱗がゴロリ(笑)その鱗欲しいですぅ!!聖さんの鱗、綺麗そうですよねぇ♪聖さんについてはお土産本で散々…あ、すみません、つい興奮を…えっと質問に戻りますね。
”好きなものを〜”という台詞でしたね…ええ?!あの台詞ハッとしたんですか?!
へぇぇぇ…。私的にはあまりぱっとしないなぁ(苦笑)
確か…あれはマスが勝手に喋ってました(笑)え?意味わかんないですか?でも説明もし難いなぁ…。
えとですねぇ…落ちてきたシーンとシーンを繋ぎ合わせて、あとはその話の真ん中に主人公を置いてみて勝手に喋らせるんです。自分がマスだったらどう動く?!と考えながら。すると勝手にマスが動き出す。勝手にしゃべってくれるんです。で、その通り書き留めていくだけです。でもそれって一方的で相手の意思が入ってこないので、最初に話として考えた筋から脱線しやすいんですよ〜。だからあんまりそれに頼りすぎるとその後にまたハナシが繋がらなったりして長くなってしまうので、そこそこで動きを止めて、今度は相手の気持ちに立って台詞を考え直し、前後不自然にならないように組み立て直す繰り返しなんですけど、その中で普通にマスが話していた台詞なんで、考えてもいないし落ちてもきてないんですよ。
その後のこんなことをした、あんなことを思いました的な説明文は自分で一生懸命考えたんでどうせならそっちを褒めて欲しいなぁ…」

ねちっとした視線でこちらを見るkotoさん。

「うっ!そうなのですか。でも、そうすると、そうした作業の中で普通に真澄様になってしまわれる瞬間があるということでございますよね。それも又、スゴイことです。いやはや、お話を作っていく作業と言うのは、この聖(犬)には計り知れないものがございます。そして、『伝えて』のイラストでは、kotoさんの持ち味である柔らかいタッチの美青年風真澄様と、企画とピッタリマッチした詩がとても素敵でございました。背景に流れる音符をうねらせるのに、とてもご苦労されたとおっしゃっていましたが?」

「あれは…死ぬかと思いました。オハナシに熱中しすぎてフォトショ使ってなかったんで、基本的な使い方を忘れてしまい音符の抜き出しが出来なくて…。切り取った場所全部が張られてしまい、四角く背景も消えてしまう(:_;)しかも波打たないし。成功までの試行錯誤に時間がかかりましたが、思い出したら短時間で完成。グラデーションかけたり楽しく作業しました…使わないとまた忘れてしまうんでしょうね…歳を感じます…」

「そう言えば、kotoさんは拍手の方でも続き物を書かれてらっしゃいましたよね?」

「そうなんです!実は、続きを書かなくちゃいけないことをこちらもすっかり忘れてたんですけど、10/18にイキナリ、続編が降ってきて…、それで思い出しました」

「お忘れになっていたのに、続きが降ってきたのですか?さすがは、降霊憑依型パロ作家!!」

「降霊憑依型…あはは〜、何ですかそれ!とにかく、今は全ての作品を完成することができて、心からホッとしています。あ、拍手ネタの続編は近日中にアップ予定なんですけど…。お話が書けなかった時は、楽曲を聴いたり、本を読んだりして、新ネタの降臨を待ったりしたのだけど、今回はなかなか憑依してくれないし…。そうこうしていいるうちにもどんどん締め切りは迫って、某犬には追い立てられるし…今、思い出しても、ホソロシイ…。でも煮詰まっていたときのことなんですけど、曲自体CDとか持ってなくてこれから探すかぁと思っていたら、不思議なことにクラシックの大全集が贈られてきたんです。私、紫の犬の仕業かもしれないと思っているんですよ!ありがとう、紫の犬の人…♪聖さん、何か聞いてますか?」

「紫の犬の人は、追い立て、取り立てという厳しさだけではなく、それ以上の愛情を持ってkotoさんを見守っているのでございます。どうか、あの方の厳しさの根底にあります優しさと深い愛情をわかって差し上げてください。聖に申し上げられるのはこの位でしょうか…。
さて、今回、なかなかにホソロシイ思いをされたようでございますが、お祭り大好きなkotoさんのこと…また、楽しめそうな企画が持ち上がったりすると、『やろ♪やろ♪』って、皆様を誘ってしまわれるのでしょうね」

「う…(否定はできないと思っている)」

「作品の他にも、コンサートに向けてのアレやコレやの準備等、非常に楽しそうになさっておりますし」

「ふふふ…やっぱりお祭り好きなんでしょうね!そして、何より、ガラカメが大好きなんだと思います」

「kotoさんが、そこまで、ガラパロの世界に嵌っている理由と言うのは、ズバリ何なのでしょうか?」

「もう、最初はとにかく”面白い!!”の一言に尽きましたね。私、ネットの使い方もよくわからない時に、義弟にこの世界を教えて貰ったんですけど、一気に嵌りました」

「義弟さんに?それは、又、珍しい…」

「一通り、サイトを巡った後にたまたまESCAPEのオフ会のお知らせ…だったかな?のページにいったんです。Topから作品index以外のページに行ったことなかったんでなんと初!!そこにオフ会の告知があって締切りが迫ってたので急いで申し込んだんです。清水の舞台どころかナイアガラの滝に飛び込むくらいの無謀ぶり(笑)で、他のページを見たら休止されるとか書いてあってびっくりしました。杏子さんに会えるのもこれで最後かも知れないと思ってプレゼントを考えて…自分でも書き始めたんですよ♪勘違いヤローですよね〜。でも、パソコンも苦手だったのでどうやって書くかわからないので、義弟に文章ってどうやって書くの?と。ワードで書けばって言われて、ワードって何だ?とまるでビビ。開き方から教わりました(笑)で、なんとか処女作をワードに書いて、でも添付とか知らないからそれを印刷して…持参するという無謀ぶり×2。しかも途中までなの、仕上がらなくて。思い出すだけで恥ずかすぃ…」

「あぁ、オフ会に原稿用紙を握り締めて参加されたことは、一部関係者の間では有名なお話ですよね」

「とにかく、その処女作を書いている間、楽しくて、嬉しくて、刺激的で、エンドレスで続く興奮状態でした」

「ご自分のサイトを持とうと思ったきっかけは何ですか?」

「…それをアナタが聞くのか?ヲイッ!!聖の仮面を被った犬に取り立てられたからだぞ!!忘れたとは言わせないぞ!」

「あ、そうでしたね〜。そんなこともありました。いや、懐かしい、楽しい思い出ですね〜」

「楽しいって…私はホソロシかったですよ。まさか、サイト構築まで取り立てられるとは…。まぁ、自分の書きたいものが、どんどん、他の管理人の方に貢げる内容ではなくなってきたので、サイトを持って自分の責任で発表した方がよいだろうと思い始めてもいましたけど…」

「貢げる内容ではないとはどういうことですか?」

「私はダークでネチネチしたパロや、暗くて、ずるくて、やな男なんだけど、でも最高にかっこいい真澄というのを書(描)きたいと思っているので…、そういった作品を人様に押しつける訳にもいかないかなぁ…と」

「なるほど、暗くて、ずるくて、やな男…そういった真澄様がお好きなのですね」

「あ、でもかっこよくなくちゃダメですよ!」

「やはり、真澄様にはいつまでもかっこよくいて欲しいですよね。まったくもって同感でございます。それでは、最後に、kotoさんの肉声をもうすぐお誕生日を迎える真澄様にお届けしたいと思います。こちらのマイクに向かって、思いのたけを叫んで下さい」

「えーーっと、何だかドキドキしてお話出来ないんですけど…。こほん。
速水さん、お誕生日おめでとうございます。歳をとっても、ずっとかっこよくて優しい速水さんでいてくださいね。ずっとアナタを見ています…///なんて〜〜きゃ〜〜」

「kotoさん、本日はお忙しい中、ありがとうございました。コンサートもいよいよ迫ってまいりましたので、この後も引き続き、頑張ってくださいね」

「ありがとうございます。お寿司もどうもご馳走様でした。とっても美味しかったです」

「いえいえ、とんでもございません」

「あのーーーーー、聖さん、私、やっぱり、ちょっとアルコールも飲みたいかなぁ〜なんて」

「あ、さようでございますか?それでは、もう一軒お供させて頂きますね…(実は、明日も朝から重要な任務が入っているのですが…、今夜は又、徹夜でしょうか…トホホ)」

「やった♪杏子ちゃんがね、この間飲んだシャンパンがとっても美味しかったって言ってたんです。私も飲みたいなぁ♪」

「…………(予算超過決定でございますね…こうなったら、もう全てユルユルで行きましょう!←自棄)」



こうして、再び、シャンパン風呂な一夜が再現されるのであった――。











10.28.2005



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