■■ お題 1: 愛故に。 ■■
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「きみは料理禁止だ」 「なっ!!横暴だわっ!!」 「なんだと!?とにかく禁止だっ!!」 「ひどいっ」 「少なくとも、揚げ物禁止だ!」 「じゃあ、あたしはエビフライを食べたいと思っても自分じゃ揚げちゃいけないっていうの!?イカリングも?カニコロッケも?」 「あーーそうだ!」 「…ひどい…」 マヤは堪らずしくしくと泣き出す。なんだって、こんな暴君みたいなことを言うのだろう。もう油も熱くして、あとは揚げるだけだったというのに。 「……マヤ」 「………(しくしく)」 「揚げ物を食べたいときは、おれが揚げてやる。だから泣くな」 「なんで禁止なんですかぁ…」 「きみは女優だろう。顔に油が跳ねたらどうするんだ…。エビフライは、尻尾の部分に水分が残っていると、酷く油が跳ねるんだ。カニコロッケに至っては、揚げすぎると中身が吹き出ることだってあるんだぞ。きみにそんな危険なマネはさせられない」 「…速水さんは、女優のあたしが好きなんですね…」 「…なにを言う。マヤは女優だから、マヤなんだろう。女優のマヤが好きなことと、マヤ自身を好きなことは同じことだぞ」 「…速水さん(ラブ)」 愛故に揚げ物禁止。 07.09.2006(graffiti転載) …くだらなすぎて、すみません。言い訳の言葉もございません。 過保護にもほどがあります。 |
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