■■ sky-ward 挿絵 ■■







 吹き上がる風でマヤの髪が顔に当たりそうになった。手を伸ばし、一房つかまえてみる。


 その艶やかな黒髪を唇に押し当てると、そっと離した。


 手から離れた髪は再び風に舞い上がった。



 マヤは目を見開いたまま、何も言わない。…だが、これでいいのだと素直に思える。やっと、10年越しの想いを伝えた。束の間の幸福を惜しんでいた。

 唇に触れたマヤの髪の感触。マヤと同じ高さで見つめ、マヤも自分を見てくれている。その一瞬、一瞬を。


(「sky-ward」 story 4より)












…というわけで、すてきなお話を贈ってくださったあずまさんに心からの感謝を込めて、一番大好きな場面を絵にしてみました。頼まれてもいないのに、勝手に描いちゃってすみません(汗)。
しかもイメージぶち壊しだったらごめんなさい(大汗)。
文中に挿入しようかとも思ったのですが、やっぱりぶち壊しの可能性大なので奥ゆかしく別ページにしてみました(笑)。

拝読して冬の高い青空にとけていきそうな二人の様子が脳内にぱあっとイメージされました。
あずまさん、ありがとうございました!


04.08.2006


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